
前回の記事では、食道アカラシア特有の症状と逆流性食道炎の疑いから一転して、自分のアカラシアが判明するまでの母の実体験をお伝えしました。
今回は、食道アカラシアの実際の手術とその後の母の状況をお伝えして、食道炎やアカラシアに苦しむ方への情報共有とさせていただきます。
食道アカラシアには3種類の治療法があります
アカラシア治療は大きく分けて3つの方法があり、それは以下の3つです。
- 投薬治療
- 内視鏡治療(バルーン拡張)
- 手術
ただし、慈恵医大のサイトやその他のアカラシア関連の情報を調べてもわかりますが、投薬はあまり効果が期待できないそうです。
下部食道括約筋をバルーンで裂いて、胃への流れを良くするバルーン拡張も選択肢としてはあったようですが、再発の可能性も低く、効果が一番確実に期待できる手術を母は選択しました。
母の簡単な言葉でいうと、「のどの詰まりを切り落とすから食べ物が胃までストンと落ちる」だそうですが、アカラシアの詳しい手術内容については、慈恵医大のサイトを引用します。
通過障害を治す目的でLESを含めた食道から胃にかけて筋肉の一部を切開し切除します。次にこの筋肉を食道の約半周程度粘膜からむきます(Heller:ヘラー手術と言います)。こうすると食道の前面は粘膜だけになります。食道粘膜は非常に軟らかいため食事の通過は良好となり、つかえ感などの症状はほとんど消失します。
しかし、このままだと今度は胃から食道にものが逆流するようになってしまいます。このため、胃の一部を用いて食道に被いを作ります。これを逆流防止手術と言います(Dor:ドール手術と言います)。当施設では、この逆流防止手術の際、食道の中にブジーという柔らかい棒を入れた状態で行います。これは、切開した食道の筋肉の再癒合を防ぐためです。このことが、術後の成績の向上に大きく貢献していると考えています。つまり筋肉を切開しただけの治療では、切開した筋肉同士が再びくっついてしまい、症状が再発する可能性があるからです。
http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/upper-dig/esophagus/achalasia/
手術前の母の心境は意外にも冷静でした
麻酔をかけた手術をするとなると、本当に不安な気持ちになりますよね。
私もかなり不安だったのですが、数多くの執刀実績のある慈恵医大での手術ということもあり、当の本人の母はたいして怖がってもいない様子でした。
むしろ、早く体調を良くしたくて、手術をすぐにでも受けたい!という感じでした。それだけアカラシアが辛かったんだろうな・・。
アカラシア手術後の母の容態は・・
昨年の秋にアカラシアの専門医の有名な先生に執刀を担当してもらった母。
(*念には念を入れて、その先生に担当してもらえるよう確認をしまくったそうです。さすが母(笑))
おかげさまで手術後の調子はすこぶる良好です!
ここまで変わるのかというくらい母の体調が変わりました。具体的には・・・
- 好きなものをぱくぱく食べれるようになった
- 空気が器官に入ってしまうことがなくなった
- 食事の途中でトイレで戻さなくなった
- 痩せ細ってしまっていた体重が戻ってきた
いや~、家族としてはうれしい限りです!!
激やせして、祖母からも心配されていた母がふっくらしてきたときは本当に安心しました。
手術成功と言われてもあまり実感がなかったのですが、体重が戻ってきたのを見るとやっぱりホッとしましたね・・。
ということで、今では嫁と母と3人でご飯を定期的に食べに行ったり、家でもすき焼きをしたり本当に楽しく食事ができるようになりました。
「ごはんが食べられるようになったー!」
「4キロも体重が戻ったの!」
と、本当に嬉しそうに話しています。
今でもたまに午前中は食事を摂れないという日もありますし、完璧ではありませんが、手術は大成功といっていいと思います。
もちろん、アカラシアは手術を一度したら終わりではなく、定期的な検診には行っています。
食道アカラシアになる人は、食道ガンになるリスクが一般の人より10倍高いとも言われますので、今後も注意深く経過観察をしていきます。
まとめとして、セカンドオピニオン取りましょう!
食道アカラシアの症状に苦しむ方に、ここまで症状が改善するんだよ!ということをお伝えしたくて記事を書きました。
逆流性食道炎と診断されたけど、食べ物が入っていかない、もう食事がつらい、どうも他の人よりキツイなーという方はセカンドオピニオンを取ることをおすすめします。