
今回は普段のアメリカ生活とは異なりますが、数記事書けて、私の母のアカラシアという病気との闘病記を書きたいと思います。
珍しい病気で、そもそもこの病気の発覚・特定も難しいということだったので、同じような症状で苦しんでいる方の役に立てば嬉しいです。
今回は第一記事として、アカラシアがという病気がわかるまでの母の症状をご紹介します。
この記事の目次
逆流性食道炎?食事が喉を通らず、食事中でもトイレで戻してしまう
ストレス社会の今、「逆流性食道炎」という病気が現代病として有名になっていますよね。
私が覚えている限りでも、母はもう10年くらい前からこの逆流性食道炎のような症状に苦しんでいました。
具体的には、
- 食事がのどを通らない
- 家族で食事をしていても、のどの詰まりを出すためにすぐにトイレに行ってしまう
- 特に麺類が苦手で、そばやうどんを食べるとすぐにのどに詰まって戻してしまう
- 何も食べていないときでも胃酸が出てきてしまう
というような感じの日々が続き、家族はただ心配するしかできない状況でした。
このころ母がよく言っていたのが
「食べ物がのどで詰まって落ちていかないのよ・・・」
「器官に空気が入っちゃう感じで、のどがふさがっちゃうの・・・」
正直なところ、父や私には何がなんだか一切理解できず、心配はしているのですが、
外食に行ってもすぐにトイレに行かなければいけない母に対してイライラしてしまうこともあり
「お母さんはアブラッこいものを食べすぎたらだめだよ!!」なんて見当違いなアドバイスをしてしまっていました。。
優しい母は、「ごめんね」なんて言っていましたが、本当は「なったことも無いくせに、ほっといてよ」と思っていたかもしれませんね。
ちなみに母は、食事面でも運動面でも気を遣っていますし、テニスやダンスを趣味にしている健康的な痩せ型の女性です。
アルコールは一滴でも飲むと顔が真っ赤になってしまうので、お酒も飲みませんし、タバコも吸いません。
症状が悪化・・午前中は食事を摂ることができない
そうは言っても母も毎日辛そうだったわけではなく、調子が良いときは何の問題もなく食事を摂っていました。
しかし・・・、数年前から更に母の症状が悪化してきました。
私も社会人になり、お盆や年末にしか家族と会わなくなっていましたが、
母が「13時以降しかご飯が食べられない」と言い出したのです。
これにはびっくりというかショックを隠しきれませんでした。お母さんどうしちゃったんだろう・・と。
食事をするのがあまりに辛いので地元の病院にも行ったようですが、「逆流性食道炎ですね」と言われて薬をもらうだけだったそうです。
逆流性食道炎自体は、胃酸が大量に分泌されて逆流することで食道に炎症を起こす病気です。
処方された胃酸を抑える薬を服用したり、漢方薬を取り入れたりもしていましたが、あまり良くはなっていませんでした。
食事がなかなか摂れないので体重も減ってしまい、見た目にもかなり痩せ細ってきていました・・。
母の変わり様を見てかなり心配していたのですが、私も仕事が強烈に忙しくなっていて、会った時に心配するくらいで特に何をするでもなく終わってしまっていました。
ところが、しばらくしてからの母からの電話で事態が一気に変わってきました。
きっかけはセカンドオピニオン。アカラシアが発覚
母「あ、あたしだけど。お母さん、逆流性食道炎じゃなかったのよ。
”アカラシア”なの。今度手術するわ!」
私「え?え?ちょっとどういうこと!?」
電話でこんなことをいきなり言われたので、母に会いに行き話を聞くことにしました。すると、なんと色々すごい話になっていました。
まず、母は自分はただの逆流性食道炎ではないのではと思い、周りの友人にも相談してみたそうです。
その中で、過去に医者から誤診を受けた方がいたそうで、セカンドオピニオンを取ったほうが絶対に良いと勧められて、都内の大きな病院で再度診察を受けました。
病院名、出しても大丈夫ですよね・・。専門医がいると聞いた東京慈恵医大(東京慈恵医科大学附属病院)で診察を受けました。
その結果、母は単なる逆流性食道炎ではなく、アカラシアという病気であると診断されました。
アカラシアとは・・
アカラシアは、正しくは食道アカラシアと言われる食道の機能障害の一種で、飲食物が食道を通りにくくなってしまう病気です。
発症の確率は10万人に1人と言われ、発症の原因が特定されていない難病です。
食道と胃のつなぎ目には、下部食道括約筋(LES)と呼ばれる筋肉が存在していて、このLESが弛むことで、摂取した食べ物を食道から胃に運んでいき、LESが収縮することで胃からの逆流を抑えます。
アカラシアでは、LESがずっと収縮した状態になってしまっているため、食べ物がうまく胃に落ちていかないのです。
まさしく母が言っていたことです・・。その他の症状としては、背中の痛みや顔面神経麻痺といったものがあるそうです。
アカラシアを放っておくと食道ガンを併発する可能性もあるため、一刻も早く専門医に相談する必要があります。
(慈恵医大のサイト(http://www.jikeisurgery.jp/diseasegroup/upper-dig/esophagus/achalasia/)より抜粋)
慈恵医大はアカラシアの治療に関しては日本有数の実績があり、アカラシアの有数の専門医がいるとのことで、母の病気がようやく特定されました。
改めて思いますが、セカンドオピニオンを取ることって本当に重要です。
なんか人って不思議なもので、自分の病気が正しくわかるだけでも元気になったりするんですよね。
自分の体調が悪いのに、何が原因なのかわからない不安からは解放されたことで、顔が明るくなっていました。
次の記事で、アカラシアの手術と母のその後についても共有して、少しでも苦しんでいる方の役に立てればと思います。