棚橋欠場

ここ数年で新たなファン(主に女性層)を獲得して、売上高がV時回復中の新日本プロレスがちょっと大変な状況ですね。

団体のスターレスラーである棚橋弘至選手のシリーズ欠場が多くのプロレスファンを騒がせているんです。

いやね、プロレスマニアからすると、これ自体いいことだと思うんですよ。一人のレスラーの欠場で、これだけ議論が巻き起こるって。

だけど、新日本プロレスもここまで人気になってくると、色々今までのやり方と違うことも試した方が良いんじゃないかと思ったので、少し意見を。

いま、何が起きてるの?

事の発端は、以下の新日本プロレス公式twitterの発表です。

新日本プロレスのエース選手、棚橋弘至選手の欠場です。

棚橋欠場

『100年に一人の逸材』と呼ばれ、多くの女性ファンをプロレスへと誘った棚橋選手。

彼の長年の努力のおかげで新日本プロレスは会社として立ち直ったといっても過言ではありません。

閑古鳥が鳴いていた会場は、いまやどこも超満員でチケットは予約の段階で争奪戦状態です。

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で、なぜ棚橋が欠場するかというと、抗争中の相手レスラーのケニー・オメガ選手にパイプ椅子とはしごでメッタ打ちにされて負傷したためとされています。

以下、スポーツナビ引用。

大阪城ホールで挑戦するIWGPインターコンチネンタル王者のケニー・オメガの襲撃が待っていた。

不意を突かれてリングに大の字になったところに、大型のラダー(脚立)で左腕を押さえつけられた。さらにチェーズ・オーエンスに左腕を引っ張られ、無防備状態のところに、オメガが脚立越しにパイプ椅子でめった打ち。

最初は絶叫していた棚橋の声が次第に聞こえなくなった。ようやく攻撃が収まったときには、ピクリと動けず、担架で控室に運ばれた。症状は深刻な模様で、ヨシタツは「棚橋さんの肩が心配。よく分からないけど、大事に至らないように祈っている」と話した。

で、これに対してfacebookやtwitter上では以下のようなコメントが殺到しているんです。

ケニーオメガに対して、絶対に許される事ではない。やり過ぎ。ケニーオメガなんて新日本プロレスには要らない(怒)

今回はホントケニーオメガはやり過ぎです…。大好きな新日本プロレスをメチャメチャにしないで下さい。

ケニー、最低。ケガさせるまで痛めつけるとか、プロ失格。

と、いう感じで、プロレスファンの皆さん、ケニー・オメガへの非難轟々なんです。

この写真の真ん中がケニー・オメガ選手。悪そうですね~(笑)

ケニーオメガ

ケニーオメガはバレットクラブという悪役チームに所属していますし、確かに、こいつならどんな悪いことでもしてしまいそうです。

しかしですね。はっきり言いますが、この棚橋の怪我は台本通りです!

プロレス用語として、アングルといいます。

事実、棚橋選手は本当に右肩を怪我しているのかもしれませんが、ケニーオメガにやられて怪我をしたわけではありません。

先日行われたROHというアメリカのプロレス団体への遠征中に、もともと痛めていた右肩の負傷がかなり悪化したとの情報が流れていました。

さらに、棚橋選手は「徹子の部屋」への出演や映画ドラえもんの声優業など、

プロレス以外の活動でも新日本プロレスの広報活動にフル稼働なため、疲労が相当貯まっていたものと思われます。

会社として、ここでスターレスラーを一時休ませなくてはいけないという判断になったため、

欠場してもファンが納得できるシナリオを組んで、悪役のケニー・オメガに憎まれ役を依頼した、ということです。

このように、人気レスラーを一時離脱させなくてはいけないときには、

今回のような「大怪我をしたように見せるアングル」は常套手段なのですが、新しく新日本プロレスを見るようになった女性ファンには、うまく理解されず反発を招いてしまったようです。

ちなみに、この後の流れとしては、以下のシナリオで間違いありません。

  1. 棚橋選手が6.19の大阪で復帰戦 vs ケニー・オメガ。
  2. 棚橋は治りきっていない右肩にテーピングぐるぐる巻きで登場。
  3. オメガは悪役になりきり、徹底的に棚橋の右肩狙い。
  4. ファンが大歓声で棚橋を応援。勝つのは果たして・・・

昔からのプロレスファンとしては、大阪での対戦が非常に楽しみになるザ・プロレスな台本(ブック)なのですが、今起きているファンの反発はしっかりと分析した方が良いと思います。

「棚橋を見たくて試合のチケットを買ったのに、ケニーのせいで見れない!!」

と思っている人がものすごく多いのですが、これはケニーがあまりに可哀想です。。

あくまでも”プロ”レスラーとしてやっていることなので・・。文句を言うなら新日本プロレスに言いましょう(笑)

新しく女性ファンが入ってきて、団体の新陳代謝が行われているとなれば、

新日本プロレスもこれまでの台本・やり方を見直す時期に来ているのではないでしょうか?

今の時代のファンに受け入れられないストーリーは勇気をもって変えていく必要があると思います。

世界最大のプロレス団体WWEのやり方

例えば、新日本が追いかけるべき存在である米国グローバル企業WWEでは、選手の欠場に際して新たなアプローチが試されています。

団体の超人気レスラーであるジョン・シナ選手が、昨年の秋から3ヵ月程度休暇を取りたいと会社に申し出たのですが、それをそのまま公表したんです。

john-cena

これまでであれば、休暇を受け入れるにせよ、試合中に悪役レスラーから攻撃を受けて怪我の治療のために休暇、というシナリオを組んでいたはずです。

しかし、WWEも超人気団体であり、試合によっては数か月前からチケットを購入して楽しみに待っているファンもいます。

こうしたファンにとって、ジョン・シナの急な欠場はあってはならないことなんです。

ファンからのクレームを最小限に抑えるためにも、選手の休暇取得をそのまま公表するという手段を取ったようです。

折しも日本においても会社のワークライフバランスの重要性が叫ばれている中、人々に夢を与えるプロレスラーも一人の人間であるということを考える良いきっかけになるかもしれません。

*反響が大きかったので、棚橋選手の復帰の際のシナリオを予測しました。過去の有名レスラーの欠場についても分析しました。

棚橋欠場明けの新日本プロレスはどうなる!?過去を知れば未来が見える