
連載している「アメリカでペットを飼う」シリーズですが、今回はアメリカの獣医の費用についてです。
長い間ペットを飼っていれば、人間の子供と同様にお医者さんにかかる機会は必ず出てきますよね。
犬・猫をアメリカの獣医で見てもらうとどれくらいのお金がかかってくるのか、実際にアメリカで犬を飼っているまゆみさんに教えていただきました。
*各項目に(目安)としてざっくりの費用を記入しています。
この記事の目次
獣医は高い!Office Visitって何?
(目安)Office Visit:50ドル
(目安)レントゲン検査:100ドル
獣医さん(Veterinary)は保険がききませんので、ペットの治療費はもちろんそれなりにかかります。
アメリカはお医者さんに行くだけでOffice Visitという料金を取られるので、毎回診察に行く度請求されます。
人間の病院でいう初診料みたいなものだと思います。
病院によってOffice Visitの料金は変わりますが、私が行っている獣医さんは50ドル取ります。
同じ治療で何度も病院に通う場合は毎回取られない場合もありますが、病院によりけりです。
血液、レントゲンなど検査もとても高価で100ドル単位です。
なので検査をする場合などは、事前にその検査がいくらかかるのか聞くのをお勧めします。
「自分が払える額かどうか不安なので、、」と一言添えれば、費用をちゃんと教えてくれると思います。
獣医さんではまず体重を計ります。
チョコを吐かせるのに250ドル!手術はとても高い
(目安)手術によるが300-2000ドル
どんなときにペットの手術をするか?
私の周りでペットを飼っている方の中でも意外に多いのが、
ペットが飲み込んでしまった異物を取り出す為の手術です。
ぬいぐるみを食べてしまい、それを取り出すための手術で2000ドル(20万ほど)取られた友人がいます。
他にも、チワワを飼っていて、ジャーキーが喉に詰まった友人も2000ドル程払いました。
突然の事故や病気は仕方ありませんが、もし自分の犬がオモチャを破壊して食べてしまうようなら、オモチャなど出しっぱなしにしないことが重要だと思います。
私はコーヒーテーブルの上に置いておいた大きいチョコレートを全部犬に食べられてしまい、慌てて獣医さんに行って、それらを吐かせてもらいました。
チョコレートを吐かせる為に「炭」を使ったそうですが、その時は250ドル払いました・・・。
小型犬がまさかコーヒーテーブルの上に乗って(カウチから飛び乗ったと思います)、チョコレートを全部食べてしまうと思いもしなかったので15分ほど家を空けた際、チョコレートをしまっておく事すら考えませんでした。
他にも散歩中、拾い食いをさせないようにしたり、犬にとっての危険な虫だったり植物も、ある程度でいいので知っておく事も必要です。
*例えば、ハチは犬にアレルギー反応を起こさせショック状態にします。
私の友人の犬はハチに3度刺され、3度目は泡を吹いて倒れ獣医さんからも、今度刺されたら死ぬかもしれないと言われ、万が一の為にアレルギー予防の薬を毎日飲ませているそうです。
犬は意外にハチに刺されやすいそうなので、ハチは要注意です。
今はちょっと検索すれば、こういった情報はたくさん出てきます。ここは参考程度にしてください。
http://www.pet-hospital.org/food.htm
うちの犬は予防接種すると顔が腫れてしまいます。
顔が腫れる度に獣医さんに戻って何かしてもらうより先に、注射をするとこんな事になると言っておけば、適切に対応してくれます。
Noと言える日本人になる
これは私の事なのですが、最初は獣医さんに言われるがまま、「本当にこれ必要なのかな?」と思いつつ検査をさせ薬をもらっていました。
「あの~、これやらなきゃダメですか?」などと聞こうものなら、いかにその検査と薬が大事かと説明されたりしましたが、いろんな獣医さんに行くと、どうやらそうでもないという事に気づきました。
なので、これだ!と思う獣医さんが見つかるまで獣医さんジプシーをしていろいろ見るのもいいと思います。
そして、したくない検査はしない、いらない薬はいらない!と言えるようになりましょう。
全て言いなりになっているとお金が本当にバカにならないので・・・。
避妊・去勢、マイクロチップ
(目安)50-150ドル
自分の住んでる市のHumane Societyで避妊、去勢、マイクロチップをやってもらえます。
市でやっているので、獣医さんより大分安く出来ます。
狂犬病の注射も、獣医さんに会わず犬だけ診察室に連れて行かれ、狂犬病の注射ができるところもあり、それなどはOffice Visit料も取られません。
どの州でも犬は住んでいる市に登録しなければいけませんが、登録の際、避妊・去勢をしていると登録料が安くなります。
手術の後は手術した部分を舐めてしまわないように頭にコーンをつけられます。
緊急の時は、念の為クレジットカードを持参!
(目安)500ドル
私は今までペットの緊急病院に2度行きましたが、請求金額はすごく取られる事を覚悟し、その心つもりで行きました。
初めは犬の発作です。
病院に着いた時、もう発作は止まっていて、特に治療という治療はされませんでしたが500ドル取られました。
もし家に帰すのが不安で一晩病院で様子を見て欲しく、又発作が起こった場合はプラス500ドルと言われました。
犬の初めての発作の場合、もう2度と起こさないのか、再発するかは不明らしく、何度も発作を起こさない限り検査も治療もしないと言われたので、その日は家に帰りました。
その時はまだペット保険に入っていたので自腹は500ドルの内100ドルで済みました。
ちなみにその発作を起こしたのが1歳の頃で、現在8歳ですが発作は起こしていません。
2度目は外にいたネズミを捕まえ加えたり引っ張ったりし、ネズミを死なせた時です。
犬達を少し外に出した時、ネズミがいたのは分かっていたのですが、犬を見たらすぐ逃げるだろうとタカをくくっていたら、なんとそのネズミはかなり弱っていてあっさりうちの犬達に捕まり加えられ引っ張られ、あっという間に息絶え絶えになってしまいました。
そしてそのネズミの口から緑の液体が出てきたのを見て、もしや毒が病気でも持ってるんじゃ?と慌てて緊急病院に行きました。
結果的には、犬達が吐いたり下痢をしたりなどと何か症状が見えない限りは獣医さんも何も出来ないそうで、
その日は先生と「お話ししただけ」で2匹分180ドル取られました。
歯磨きは犬の健康にとても重要。
たかが歯磨き、されど歯磨きです。
歯磨きをちゃんとしていれば獣医さんに行かなくて済むことが多くなります。
獣医さんに犬を連れて行った事のある人なら、先生がまず犬の歯をチェックしてるのを見た事があると思います。
↓歯がいかに大事か書いてあるサイトです。
http://www.dog-dental.com/content/dental/dental_jyumyou.html
歯の問題でよく聞くのは歯石取りです。
これは麻酔をかけてするので、歳をとった犬にはとても負担になります。
なので、パピーの頃から歯磨きの習慣をつけておくことが重要です。
今は歯ブラシを使わずジェルやスプレーするだけのものもありますから、成犬から犬を飼い始め、歯磨きがどうしても嫌いな犬には、そう言った物を使うという手もあります。
歯磨きガムなどという物もありますが、犬によってはちゃんと噛まずに食べてしまう犬もいるので、歯磨きに関しては出来ればブラシに慣らせておいた方がいいと思います。
ペット保険入る?入らない?
(目安)月額40ドル
ペット保険に入るかどうかも悩みどころだと思います。
私の場合は、パピー(子犬)の時だけ保険に入っていました。
と、言うのも、獣医さんに行くのはパピーとシニアの時がすごく多いんです。
その間はほぼ保険を使わない為、使わない間の年間の保険料を計算した所、年間でこんなに払っているのか、、と思い止めてしまいました。
もちろん保険は万が一のものですし、シニアになれば又獣医さんにかかります。
人間でもそうですが、若い時から保険に入っているのと歳を取ってから保険に入るのでは保険料も大分変わります。
それに病気や事故に遭い保険を使う可能生はいつでも考えられるので、これは本当に考え方次第だと思います。
保険料も、犬種、病気と怪我でどのくらいの額がカバーされ、自己負担額(Deductible)の金額によりけりで保険料が変わります。
例えば、年間で病気が10,000ドル分、怪我が7,000ドル分カバーされて、自己負担額(Deductible)300ドルの保険プランが月40ドルなどという感じです。
ただこの自己負担額(Deductible)が300ドルのプランに入っていたとすると治療費の請求が300ドルを超えないと保険請求で出来ません。
私は自己負担額(Deductible)が100ドルというプランに入っていましたが、この場合は当然毎月の保険料も上がります。
各ペット保険会社の料金ですが、残念ながらサイトで料金がすぐ分かるところがあまりありませんが、自分の飼っている犬の犬種、歳、eメールアドレスなどを入力するとその会社にあるプランと料金がすぐ見れます。
ここは私が入っていた保険のサイトです。保険料はどこもそんなに変わらないので、参考に料金を調べてみてもいいと思います。
https://www.aspcapetinsurance.com/
どこのペット保険サイトも保険プラン料金を調べるのは、QUOTEという所からです。
それともう1つ忘れていただけないことがあります。
保険は「自己申請」です。
獣医さんで請求された額は、とりあえずこちらで一度払います。
それからその請求書などを保険会社の方へメールやFAXをして、保険会社が治療内容を見て、保険適応額を決め(治療の中には保険適応外のものもある)、やっと保険料がもらえます。
まとめ、ペットと医療費
最近、日本の獣医師のTwitterで「貧乏人はペット飼うな」というツイートがありましたが、その言い方はどうかと思います。
多分その医師はペットを飼うには思ってるよりお金がかかる。という事を言いたかったんだと思います。
ペットにはかけようと思えばいくらでもお金がかけられます。
でも高い餌をあげる必要もないし、市でやってもらえる事も沢山あるので、お金がなければペットを飼うなとは決して思いません。
ただ、ペットだって病気をしたり怪我もするし、人間と同じ歳もとります。
そしてその時、医療費がかかるという事をペットを飼う前によく知って欲しいです。